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  • 執筆者の写真Tomokazu Ichikura

東洋医学的ウィルス対策

更新日:2月14日

 ここ最近、新型コロナウィルスとインフルエンザが同時に流行るという状況が起きています。これらのウイルスに罹らないように何よりも自分自身で予防すること、健康を守ることが大事です。

そのためには、手洗い、うがいといったウイルスをカラダに入れないという基本的な行動が大事なのですが、ちゃんと寝て、ちゃんと食べることも大事なのです。


 江戸時代の初期に日本初の“健康ブーム”の火付け役となった『養生訓(ようじょうくん)』(1713年、貝原益軒(かいばらえきけん):1630~1714年)を読むと、病気にならないための生活の仕方を書いています。


・しっかりと寝る(早めに寝る)。かつ、寝すぎない。

・寝るときにカラダのあちこちを手でさする。

・食べ過ぎない。(腹八分目)

・旬のものを摂る。季節外れのものを摂らない。

・甘いものを摂りすぎない。少量を堪能する。

・冷たいものを飲んだり食べたりするのを控えめにする。

・湯船につかる。

・適度にカラダを動かす。

・大・小便を我慢しない・便秘の人は毎日トイレに行く習慣をつける。


 そのちょっと前には、徳川家光の相談役であり、沢庵で有名なあの沢庵和尚こと、沢庵彭宗(たくあんほうそう:1573~1646)が晩年に残した『結縄集(けつじょうしゅう)』があり、


・食膳の注意として初めに汁物などの温かいものを食べ、次に焼いたり煮たりしたもの、冷えたものや酸っぱいものは最後に食べる。


 さらに、歴史をさかのぼると

孔子(紀元前552~紀元前479年)の言葉を集めた道徳を説いた『論語(ろんご)』にも健康について書いていて、「郷党篇(きょうとうへん)」には、


・魚や肉が少しでも傷んでいれば食べない。

・色の悪いもの、臭みのあるもの、よく火が通っていないもの、厚切りのもの調味料とうまく合わないものは食べない。


 カラダをしっかり休め、カラダをいたわるような食事をして、免疫を少しでも高めてウイルスに負けないようにしておくことも大切なのです。


〈参考〉

『養生外史』不老長寿の思想とその周辺[日本篇] 吉本昭治  医道の日本社 1994年

『養生外史』不老長寿の思想とその周辺[中国篇] 吉本昭治  医道の日本社 1994年

『沢庵禅師における健康思想』 笠井哲 印度學仏教學研究第66巻第1号 2017年 

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